2011年10月28日金曜日

温泉旅館建築の最高峰「歴史の宿・金具屋」

秋休み「信州で深秋」の宿の紹介です。

渋温泉にある「歴史の宿・金具屋」さんです。

ここは、渋温泉街のランドマークであるほか、「千と千尋の神隠し」の「油屋」の
モデルになったとも言わている他、国登録有形文化財にも選出されるような
由緒正しき「旅館」なのです。



まず最初は、「国登録有形文化財」に登録されているポイントを。

【金具屋旅館斉月楼(かなかぐやりょかんさいげつろう)】
昭和11年に建造された木造4階建,入母屋造の旅館です。
内装も、数奇屋風の意匠が非常に神秘的です。


夜になるとライトアップをして、温泉街全体からお客さんが集まります。


20:00からのライトアップでは、写真撮影のサービスもあります。
難しい夜の撮影も安心ですね。

内装もまた素晴らしくて、壁のモニュメントは昔の水車の歯車だそうです。

富士と月のように見えますね。


客室「長生閣(ちょうせいかく)」
元は、貴賓室というだけあります。

ここは2階なのですが、4階まで客室として使用しています。
現行の建築基準法では、木造4階建ての計画は禁止されているので、そういう意味でも
希少な建物です。


【金具屋旅館大広間(かなぐやりょかんおおひろま)】

こちらは、食事・宴会に使用される大広間です。
何が素敵かって、内部の折り上げ格天井が当時のものとは思えない、絶品です。


「木を曲げる」って技術は、機械化が進んだ今でこそ一般的ですが、
これだけの量を、これだけの精度で仕上げた職人さんの技術に感動しました。


ここで頂く食事がこれまた絶品。
また、サービスも良くて、楽しい時間が過ごせました。




それに、温泉街の利点を生かした「温泉暖房」が採用されていました。


ボイラーなどで焚いた場合に比べ、燃料(灯油・重油)などが大幅に削減されて、
温室効果ガス(CO2等)の排出量も大幅に削減できる技術です。


ジワーッと優しい暖かさです。


2011年7月15日、さらに「臨泉閣」と「浴室」が、国登録有形文化財に認定されたそうです。
おめでとうございます。




次なる見所は、温泉です。


豊富な源泉と、趣の異なる8つの内湯。
貸切も可能(予約不要で、開いていれば入浴可スタイル)なので、ゆっくり楽しめます。


いずれも源泉かけ流し。
本当の「温泉」ですよ。


まずは共同浴場から。


「露天風呂」
抜群の開放感です。


「浪漫風呂」
洋風の意匠で、歴史的背景を感じます。


「鎌倉風呂」
源頼朝に因んでいるとか。


ここからは、貸切可能な温泉。


「美妙の湯」
美肌効果でツルツルです。


「恵和の湯」
浅間山の岩で出来たお風呂です。
浅間山はコチラ。


「子安の湯」
打たせ湯もあります。




「岩窟の湯」
閉鎖的な空間で、ゆっくりと癒されます。


「和予の湯」
船の形が楽しいのと、広いので、今回の一番のお気に入りです。

洗い場も凝った造りです。

他にも、いろいろな装飾品や、意匠が素晴らしい、ほんとに素晴らしかったです。




歴史ある建築物と、たくさんの温泉。
若い「9代目」の行き届いたサービスと、元気な仲居さん達。


非日常的な空間で、温泉を楽しみたい方は、ぜひぜひ行ってみて下さい。


神秘的を通り越して、なんだか己の脳内を体験したような、
そんな不思議な経験が日頃の疲れを癒してくれますよ。



自分もまた絶対に訪れたいと思います。


大きな地図で見る




非常に長いブログになってしまいましたが、最後まで読んで頂き、有難うございました。