どんなに素敵なゴーグルでも、
どんなにハイテクなデジカメでも、
レンズが結露を起してしまったら、台無しです。
今回は、その「結露」って現象について解説しようと思います。
中学校の時の理科の先生に聞いた内容です。
最近になって、やっと理解してきたと思います。
感覚的、経験的に、冷たいビールの入ったジョッキの表面での現象が想像できると思います。
学術的に言うと、
「ガラス表面に触れている空気の相対湿度が100%を超え、気中の水蒸気が凝縮した」
ってことだと思います。
まず最初に、湿度の表現に関して説明します。
湿度50%っていうのは、何なんでしょうか?
同じ1kgの空気でも、0℃と10℃の場合では、気中に含むことのできる水蒸気の量(=飽和水蒸気量)は約2倍なのです。
ですから、同じ水蒸気量でも、気温が変わると、湿度の%表示は変わってきます。
学術的には、
「(乾き空気1kgに含まれている水蒸気量)/(乾き空気1kgの飽和水蒸気量)×100」
となります。
次に、何がどうなって、結露に至るかです。
ある空気の温度をだんだんと下げていき、湿度100%を超えると、気中の水蒸気が液化するのです。
その温度を「露点温度」といいます。
実際の数値を出してみます。
26℃、50%の場合、含んでいる水蒸気量は、0.01049kg/kg' となります。
では、水蒸気量0.01049kg/kg' で湿度100%となる温度は何℃でしょうか?
15℃です。
これが露点温度といいます。
次に、これを元に、ゲレンデでの出来事でイメージします。
まず、レストランでの出来事です。
ジュースの件です。
26℃50%では、15℃が露点温度なので、14℃のジュースを置いておくと結露します。
デジカメの件です。
ウエアのポケットに入れて冷えたデジカメを取り出した時、14℃より冷えていると結露します。
次に滑っている時の出来事です。
ゴーグルの件です。
外気の温湿度条件を0℃とします。
0℃100%の場合の飽和水蒸気量は、0.00377kg/kg'です。
仮にゴーグルと顔の間の空気が 10℃45%だとします。
その水蒸気量は、0.00341kg/kg'です。
この場合、微妙ですが、結露しません。
しかし、ゴーグルの上下のスポンジが濡れたり、凍ったりして換気が滞ったとしたら
どうなるでしょうか?
顔面より発散される水蒸気がゴーグル内に立ち込めて、湿度が上がります。
同時に温度も上がったとして、15℃50%となったとします。
その時の水蒸気量は、0.00527Kg/Kg'ですから、外気(=0℃)の飽和水蒸気量(=0.00377kg/kg')をこえて、ゴーグル内部の結露が成立します。
では、どうすればいいのでしょうか?
ジュースの件です。
ジュースは結露したら、拭くか、結露する前に早く飲みましょう。
デジカメの件です。
カメラの内部結露は、故障を招くし、インターロックがかかって、起動しない機種もあります。
カメラはまず、ウェアの外側のポケットに入れます。
間違っても、あたたかな内ポケットに入れません。
内ポケットから出すと、20℃を超えているデジカメは、いざ撮影する際に内部結露を起します。
休憩の際に、動画をチェックする際の注意事項は、ゆっくりとあたためてから起動する、です。
冷えたデジカメは、暖かいレストランの雰囲気で表面結露を起します。
次にゴーグルです。
ダブルレンズのものを購入します。
ダブルレンズは曇りにくいのです。
なぜならば、2枚のレンズの内部の空気層が、クッションになるからです。
0℃の外気温に対して、レンズの間の空気層が10℃60%、顔の表面の空気が20℃50%に、各々の露点温度を越えないように熱交換をするからです。
熱交換は素材とその厚みによって調整できるので、レンズメーカーは計算と検証により、その厚みを変えていると思います。
すごいテクノロジーです。
どうりで、高いわけですよね。
まあ、長くなりましたし、文章が下手でわからないと思いますが、実際のゲレンデでは
良く起こっている現象です。
雪の降る現象も、同じような現象ですよね。
「結露」を排除して、快適なスノーボードを楽しんでください。
スノーボードの表面で起こる摩擦熱と、滑る/滑らないの関係なども、興味が湧いてきます。
詳しい方がいたら、ご教授の程、宜しくお願い致します。